「乾燥が気になるから、乳液はたっぷり塗らなきゃ!」
「肌をプルプルにしたいから、いつもの2倍の量でしっかり蓋をしよう」
そんな風に、良かれと思って乳液をたっぷり使っていませんか?実はその「良かれと思って」の行動が、あなたの肌トラブルを招いているかもしれません。
スキンケアの基本である乳液ですが、実は意外と「適量」を知らずに使っている人が多いアイテムでもあります。保湿をしているつもりが、実は肌を痛めつけていた……なんて悲しい結果を避けるために、今回は乳液をつけすぎるリスクと、プロが教える正しい塗り方のコツを徹底的に解説します。
なぜ乳液のつけすぎは「肌荒れの元」になってしまうのか
「保湿は多ければ多いほどいい」というイメージがありますが、肌には受け入れられる水分と油分の限界があります。特に油分を主成分とする乳液を過剰に塗ってしまうと、肌のバランスが崩れてしまうんです。
まず、乳液をつけすぎると、肌の表面に余分な油分が停滞します。これが空気中のホコリや汚れと混ざり合い、酸化してしまいます。酸化した油分は刺激物となり、肌の炎症を引き起こすきっかけになるのです。
また、肌の表面に厚い油膜がずっと張られた状態になると、肌が本来持っている「自ら潤う力」が弱まってしまうこともあります。「外からたくさん油分が来るから、自分で皮脂を出さなくていいや」と、肌がサボってしまうわけですね。
さらに、油分が過剰な状態は、特定の菌にとって絶好の繁殖場になります。これが、次に説明するニキビや毛穴トラブルに直結していくのです。
脂性肌じゃなくても危険!過剰な油分が招くニキビと毛穴の悩み
乳液をつけすぎると、毛穴の出口が物理的に塞がれてしまいます。すると、本来スムーズに排出されるべき皮脂が毛穴の中に溜まってしまい、白ニキビの原因になります。
特に注意が必要なのが、アクネ菌です。アクネ菌は油分をエサにして増殖する性質があるため、乳液を塗りすぎた肌は、まさにアクネ菌にとっての「食べ放題会場」のような状態。これが炎症を伴う赤ニキビへと悪化するリスクを高めます。
毛穴の悩みも深刻です。過剰な油分が毛穴に停滞すると、毛穴は常に押し広げられた状態になり、開き毛穴が目立つようになります。さらに、その油分が酸化して黒ずむことで、いわゆる「いちご鼻」のような状態を招くこともあります。
「乾燥肌だからニキビはできないはず」と思っている方も油断は禁物です。乾燥によってバリア機能が落ちた肌に過剰な乳液を塗ると、刺激に耐えられず、小さなプツプツとした湿疹のような肌荒れが起きることも珍しくありません。
ベタつきはNGサイン?自分の肌に合った「適量」の見極め方
では、どれくらいの量が「適量」なのでしょうか。
一般的に、多くのメーカーが推奨しているのは「10円硬貨大」程度です。ただし、これはあくまで目安。大切なのは、あなたの今の肌の状態を見て調整することです。
適量を見極める最大のポイントは、塗った後の「肌の感触」です。
乳液を塗ってハンドプレスをしたとき、手のひらが肌に吸い付くような感覚がありつつ、手が離れた後に肌がヌルヌルせず、しっとりとした柔らかさを感じられれば、それがあなたの適量です。
もし、塗ってから5分経っても顔がテカテカしていたり、指で触れたときに指紋がくっきりつくほどヌルついたりしているなら、それは明らかに「つけすぎ」です。
また、季節や体調によっても適量は変化します。湿度の高い夏場は少なめに、乾燥が厳しい冬場は少し多めに、といった具合に、自分の肌と対話しながら微調整する習慣をつけましょう。
部位によって塗り分ける!「引き算」と「足し算」のテクニック
顔のパーツによって皮脂の分泌量は全く違います。それなのに、顔全体に同じ量の乳液を塗っていませんか?これが、部分的な肌荒れを引き起こす大きな要因です。
基本は「乾燥しやすい場所から塗り、テカリやすい場所は最後に余った分だけ」という塗り方です。
- Uゾーン(頬、口元、目元)から塗る顔の中で最も乾燥しやすいこれらのパーツには、しっかりと乳液を乗せます。特に目元や口元は皮膚が薄いので、優しく丁寧になじませましょう。
- Tゾーン(額、鼻)は最後に手に残ったわずかな乳液を、ポンポンと軽く置く程度で十分です。もともと皮脂分泌が盛んな場所なので、ここを厚塗りするとすぐに毛穴詰まりの原因になります。
- ハンドプレスで仕上げる最後に清潔な手のひら全体で顔を包み込み、体温を利用してじっくり浸透(角質層まで)させます。
この「塗り分け」を意識するだけで、翌朝の肌のコンディションは劇的に変わります。ベタつきが気になる人は、Tゾーンを避けて塗るくらいの「引き算」を試してみてください。
乳液をなじませるコツは「温度」と「タイミング」にあり
乳液の効果を最大限に引き出し、かつベタつきを防ぐには、塗り方のプロセスも重要です。
まず、乳液を手に取ったらすぐに顔に乗せるのではなく、手のひらを合わせて少し温めてみてください。油分は温まると質感が柔らかくなり、肌へのなじみが格段に良くなります。冷たいまま塗るよりも薄く均一に広がるため、結果として「つけすぎ」を防ぐことにもつながります。
次にタイミングです。化粧水を塗った直後、まだ肌がびしょびしょの状態で乳液を重ねていませんか?水分と油分が混ざり合ってしまい、肌の上で上滑りする原因になります。化粧水がしっかり肌になじみ、表面がひんやり、もっちりしたタイミングで乳液を重ねるのがベストです。
もし、どうしてもベタつきが気になってメイクが崩れやすいという場合は、乳液を塗った後に清潔なティッシュで軽く顔を押さえる「ティッシュオフ」を取り入れてみましょう。こするのではなく、そっと置くだけで余分な油分だけを吸い取ってくれます。
ケアの質を上げるために知っておきたい「乳液の役割」
乳液はただの「蓋」だと思われがちですが、実はもっと大切な役割があります。それは、角質層を柔らかくほぐし、肌の水分と油分のバランスを整えることです。
洗顔後の肌は、水分を蓄える力が一時的に低下しています。化粧水で水分を補給しても、それだけではすぐに蒸発してしまいます。そこで乳液の出番です。乳液に含まれる適度な油分が、肌の表面を整え、潤いをキープしてくれるのです。
また、肌が柔らかくなることで、その後に使う美容液などの浸透(角質層まで)をサポートする効果も期待できます。
「ベタつくから乳液を使わない」という選択をする方もいますが、それはおすすめできません。乳液を抜いてしまうと、肌は「油分が足りない!」と判断して、余計に過剰な皮脂を出してしまいます。これを「インナードライ」と呼びます。
大切なのは「使わないこと」ではなく、「適切な量と種類を選ぶこと」なのです。
肌質に合わせた乳液の選び方とおすすめの成分
自分の肌質に合った乳液を選ぶことで、つけすぎを防ぎながら効率的にケアできます。
- 乾燥肌の方保湿力の高いセラミドやスクワランが配合された、少しコクのあるタイプがおすすめです。セラミド配合乳液
- 脂性肌・ニキビができやすい方「ノンコメドジェニックテスト済み(ニキビのもとになりにくい)」と記載されたものや、油分控えめのさっぱりとしたジェル乳液を選びましょう。ノンコメドジェニック乳液
- 混合肌の方水分と油分のバランスが良い、ミルクタイプが使いやすいでしょう。
自分の肌が今、何を求めているのか。季節や生理周期によっても肌は変わります。一つのお気に入りを使い続けるのも素敵ですが、時には今の肌に合わせてアイテムを見直す勇気も必要です。
スキンケアパウダーで賢く仕上げるベタつき対策
「どうしても夜のスキンケア後のベタつきが気になって寝付けない」「枕に顔がつくのが嫌」という方におすすめなのが、スキンケアパウダー(ナイトパウダー)の活用です。
これはメイク用のパウダーとは違い、スキンケアの最後に使うことを目的とした、美容成分配合のパウダーです。乳液の後にサッと一塗りするだけで、表面のベタつきをサラサラに整えてくれます。
余分な油分を吸着してくれる効果もあるので、朝起きたときのテカリが気になる方にもぴったりです。
スキンケアパウダーただし、パウダーを使いすぎるのも乾燥の原因になるので、テカリやすい部分を中心に薄く乗せるのがコツです。
乳液のつけすぎは肌荒れの元!逆効果を未然に防いで理想のモチ肌へ
いかがでしたか?「たっぷり塗れば安心」という思い込みを捨てて、自分の肌が心地よいと感じる「適量」を見極めることこそが、美肌への一番の近道です。
乳液を正しく使いこなせば、肌のキメが整い、内側からふっくらとしたハリが出てきます。メイクのノリも良くなり、鏡を見るのが楽しくなるはずです。
最後に、今回ご紹介したポイントをおさらいしましょう。
- 乳液のつけすぎは、ニキビ、毛穴の開き、酸化による刺激の原因になる。
- 適量は「10円硬貨大」を目安に、自分の肌の吸い付き具合で判断する。
- Tゾーンは薄く、Uゾーンはしっかりという「塗り分け」を徹底する。
- 手のひらで温めてから、化粧水がなじんだタイミングで塗る。
もし今、原因不明の肌荒れや慢性的なベタつきに悩んでいるなら、今日から乳液の量を少しだけ減らしてみてください。ほんの少しの意識の変化が、あなたの肌を劇的に変えてくれるかもしれません。
正しい知識を持ってケアを楽しめば、肌は必ず応えてくれます。乳液のつけすぎに注意して、トラブル知らずの健やかな肌を目指しましょう!

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