「毎日スキンケアをしているけれど、実は乳液とローションの違いをよく分かっていない」
「ベタつくのが嫌だから、ローションだけで済ませてもいいのかな?」
「海外製品を買ったら、ローションって書いてあるのに乳液みたいで困った……」
そんな悩み、実は美容初心者から中級者まで多くの方が抱えています。なんとなくセットで使っている乳液とローション(化粧水)ですが、それぞれには肌の上で果たすべき「明確な役割」があります。
この役割を正しく理解するだけで、今のスキンケアの効果が劇的に変わるかもしれません。今回は、乳液とローションの決定的な違いから、どちらが必要なのか、そして迷いがちな塗る順番まで、美容のプロ視点で徹底的に解説します。
そもそも乳液とローション(化粧水)は何が違うの?
まず押さえておきたいのが、言葉の定義と成分の違いです。
日本において「ローション」といえば、一般的にはさらさらとした水状の「化粧水」を指します。一方の「乳液」は、ミルク状で少しとろみのあるものを指します。
水分と油分の黄金バランス
この2つの最大の違いは、配合されている「水分と油分の比率」にあります。
ローションの成分は、その約80%〜90%が水分と水溶性の保湿成分で構成されています。肌の角層に直接水分を届け、潤いを与えることが得意分野です。
対して乳液は、水分の中に20%前後の油分が含まれています。水と油という、本来なら混ざり合わないものを「界面活性剤」の力で均一に乳化させているのが特徴です。この油分が肌の表面で疑似的な皮脂膜となり、肌を柔らかく整えてくれます。
ローションという言葉の「落とし穴」
ここで注意したいのが、海外ブランドの製品です。海外では「Lotion(ローション)」という言葉が「液体状の化粧品」を広く指すため、私たちが乳液だと思っているテクスチャのものがクリニーク ドラマティカリー ディファレント モイスチャライジング ローションのように「ローション」という名称で販売されていることが多々あります。
「ローションを買ったのに、中身が白いミルクだった!」という失敗を防ぐには、パッケージの名称だけでなく「顔用乳液(Facial Milk/Emulsion)」といった説明書きや、成分表のトップに油分(スクワランやミネラルオイルなど)がきていないかを確認することが大切です。
乳液とローション、それぞれの役割を正しく知ろう
「化粧水だけで十分潤っている気がする」という声も聞きますが、なぜわざわざ2つのステップを踏む必要があるのでしょうか。それは、それぞれが肌に与えるメリットが全く別物だからです。
ローションの役割:肌の「通り道」と「水分補給」
ローションの役割は、砂漠のような状態の肌に水分を注ぎ込むことです。洗顔後の肌は非常にデリケートで乾燥しやすいため、まずは水溶性の保湿成分で角層を満たします。
また、肌が水分で満たされることで、次に使う美容液や乳液のなじみが良くなるという「導入」の役割も果たしています。
乳液の役割:潤いの「蓋」と「エモリエント効果」
乳液の役割は、大きく分けて2つあります。
1つは、ローションで与えた水分が蒸発しないように「蓋」をすること。水分は放っておくとすぐに逃げてしまいますが、乳液の油分が膜を作ることで、潤いを肌内部に閉じ込めます。
もう1つは「エモリエント効果」です。これは肌の角層を柔らかくほぐす作用のこと。年齢とともに肌がゴワつきやすくなったと感じる方は、乳液による油分補給が非常に重要になります。肌が柔らかくなるとバリア機能も整い、外部刺激に強い肌へと導かれます。
どっちが必要?肌質別の「必要性」をジャッジ
「私は脂性肌だから乳液はいらない」「乾燥肌だからクリームだけでいい」といった判断は、実は肌トラブルの元になることがあります。
脂性肌・ニキビ肌の方
「テカるから油分は不要」と思われがちですが、実は肌の内部が乾燥している「インナードライ」の状態であることも多いのです。水分不足を補おうとして皮脂が過剰に出ている場合、乳液を抜くと逆効果。
脂性肌の方は、油分が控えめでさっぱりしたテクスチャの乳液を選びましょう。キュレル 皮脂トラブルケア 保湿ジェルのような、油分を抑えつつ潤いを与えるタイプがおすすめです。
乾燥肌・敏感肌の方
乾燥肌の方は、ローションと乳液の2ステップは「最低限の義務」と言っても過言ではありません。乳液だけでは物足りない場合は、その後にさらに油分の多いクリームを重ねることが推奨されます。
混合肌の方
Tゾーンはテカリ、頬はカサつく混合肌の方は、塗り方で調整しましょう。顔全体にローションをなじませた後、乳液は乾燥しやすい目元や口元から塗り始め、残った分をTゾーンに薄く伸ばすようにします。
正しい順番で効果アップ!スキンケアの基本ルール
せっかく良い製品を使っていても、塗る順番を間違えると成分が浸透しません。基本は「水分の多いものから、油分の多いものへ」という流れです。
- 導入液(ブースター):肌を耕し、浸透しやすい状態にする
- ローション(化粧水):水分をたっぷり補給する
- 美容液:目的に応じた栄養を届ける
- 乳液:水分を閉じ込め、肌を柔らかくする
- クリーム:さらに強力に保護する(特に乾燥時)
基本はこの順番ですが、世の中には「乳液先行」を推奨するブランドも存在します。アルビオン エクサージュなどのシリーズは、洗顔後すぐに乳液を塗ることで肌を即座に柔らかくし、その後の化粧水の浸透を最大化させるという設計になっています。メーカーが指定する順番がある場合は、それに従うのが最も効果的です。
乳液とローションの違いを理解して美肌への近道を歩もう
ここまで乳液とローションの違いについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
ローションは「水分を与えるもの」、乳液は「水分を逃さず肌を柔らかくするもの」。このコンビネーションこそが、健やかな肌を保つための最強のパートナーシップなのです。
もし今、スキンケアの手応えを感じられていないのであれば、一度ご自身の肌タイプに合わせて乳液の量や種類を見直してみてください。ベタつきが苦手ならジェルタイプを、乾燥が止まらないならエモリエント効果の高いリッチなタイプを。
乳液とローションの違いを正しく知ることは、自分の肌の声を聞く第一歩です。毎日触れる自分の肌だからこそ、丁寧なステップで愛情を注いであげましょう。その積み重ねが、数年後の輝くような素肌を作ってくれるはずです。

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