「お気に入りの白いシャツに血がついてしまった……」「朝起きたらシーツに経血が……」
そんな絶望的な気分になったことはありませんか?血液の汚れは、普通の洗濯ではなかなか落ちない厄介な強敵。時間が経てば経つほど茶色く固まり、「もう捨てるしかないかな」と諦めてしまう人も少なくありません。
でも、ちょっと待ってください!実は、あなたの洗面所に必ずと言っていいほど置いてある「クレンジング」が、血液汚れを落とす救世主になるんです。
なぜメイク落としが血液に効くのか?どうすれば生地を傷めずに真っ白に戻せるのか?今回は、失敗しない血液シミ抜きの裏ワザを徹底解説します。
なぜ「クレンジング」が血液のシミに効果的なの?
そもそも、なぜクレンジング剤が衣類のシミ抜きに使えるのでしょうか。それには、血液の成分とクレンジング剤の仕組みに深い関係があります。
血液汚れの正体は「タンパク質」と「脂質」
血液が落ちにくい最大の理由は、成分の多くが「タンパク質」だからです。タンパク質は熱や時間の経過によって固まる性質を持っており、一度繊維の奥で固まってしまうと、水だけではなかなか溶け出しません。
また、血液にはわずかに脂質も含まれています。この「タンパク質+脂質」の組み合わせが、頑固なシミを作り上げているのです。
クレンジングの「乳化パワー」が汚れを浮かす
クレンジング剤、特にオイルタイプやリキッドタイプには、油性のメイクを溶かすための「界面活性剤」がたっぷりと含まれています。
この界面活性剤が、血液の中に含まれる脂質を溶かし、同時にタンパク質と繊維の結びつきを弱めてくれるのです。さらに、クレンジング剤には「乳化作用」があります。水と油を混ぜ合わせるこの力によって、浮かせた汚れを水と一緒にサラッと流し出すことができるわけです。
いわば、顔の毛穴に詰まったメイク汚れを落とすのと同じ原理で、服の繊維に詰まった血液汚れを掻き出してくれるというわけですね。
クレンジングを使って血液を落とす「3つの絶対ルール」
具体的な手順に入る前に、これだけは絶対に守ってほしいルールが3つあります。これを無視すると、シミが一生落ちなくなる可能性があるので注意してください。
1. 「お湯」は絶対に使わない!
血液汚れに対して、お湯を使うのは最大のタブーです。タンパク質は50℃〜60℃以上の熱を加えると、ゆで卵のようにカチカチに固まってしまいます。
一度熱で固まった血液は、どんなに強力な洗剤を使っても落とすのが非常に困難になります。必ず「30℃以下の水」か、冷たすぎない程度の「ぬるま湯」を使用してください。
2. 「こすらずに叩く」のが基本
汚れを落とそうとして、生地同士をごしごし擦り合わせるのはNGです。擦ることで繊維が毛羽立ち、汚れがさらに奥へと押し込まれてしまいます。基本は「上からトントンと叩き出す」イメージです。
3. 水に濡らす前に「クレンジング」をつける
特にオイルタイプのクレンジングを使う場合、先に服を水で濡らしてしまうと、その時点でクレンジングが「乳化」してしまい、洗浄力が落ちてしまいます。まずは乾いた状態のシミに直接塗布するのが鉄則です。
実践!クレンジングで血液を落とす5ステップ
それでは、具体的なシミ抜きの手順を見ていきましょう。手元にクレンジングオイルなどのメイク落としを用意してください。
ステップ1:シミの裏にタオルを敷く
汚れが他の部分に移らないよう、シミのある部分の裏側に乾いたタオルや厚手のキッチンペーパーを敷きます。
ステップ2:クレンジング剤を直接塗る
シミの部分に直接、クレンジング剤を数滴垂らします。このとき、シミの範囲よりも少し広めに塗るのがコツです。
ステップ3:歯ブラシや指先で「トントン」叩く
使い古した歯ブラシや綿棒、あるいは指先を使って、シミの上から優しく叩きます。裏側に敷いたタオルに汚れを移していくような感覚で行ってください。
ステップ4:少量の水を加えて「乳化」させる
汚れが浮いてきたら、少量の水を指先につけて、シミの部分に馴染ませます。クレンジング剤が白っぽく濁ってきたら、それが「乳化」のサイン。汚れが繊維から完全に離れた証拠です。
ステップ5:水で十分にすすぎ、通常洗濯へ
水でしっかりすすいだ後、油分を残さないために中性洗剤(食器用洗剤でも可)で軽くもみ洗いし、最後はいつも通り洗濯機に入れて洗ってください。
外出先での緊急事態!クレンジングシートは使える?
仕事中や外出先で血液がついてしまった場合、すぐに本格的なシミ抜きはできませんよね。そんな時に便利なのがクレンジングシートです。
応急処置としての使い方
- シートを小さく折りたたみ、シミの部分に押し当てます。
- 決して横に広げず、上から垂直に押さえて汚れをシートに吸い取らせます。
- 裏側にティッシュを当てておくと、さらに効果的です。
ただし、クレンジングシートには保湿成分などの油分が含まれていることが多いため、そのまま放置すると別のシミ(油ジミ)になることがあります。帰宅後は必ず、先ほど紹介した手順で本格的な洗浄を行ってください。
時間が経って茶色くなった頑固なシミには?
「数日放置して、もう茶色くなってしまった」という場合、クレンジングだけでは不十分なこともあります。そんな時は、家にある別のアイテムを組み合わせてみましょう。
酵素の力!大根おろしを活用する
意外かもしれませんが、大根おろしには「ジアスターゼ」というタンパク質分解酵素が含まれています。
シミの部分に大根おろしをガーゼで包んだものを当ててトントン叩くと、固まったタンパク質が分解され、驚くほど綺麗に落ちることがあります。
酸素系漂白剤とのコンビネーション
クレンジングで脂質を浮かした後に、ワイドハイターなどの酸素系漂白剤を併用するのも効果的です。
- クレンジングで下処理をする
- 40℃弱のぬるま湯に漂白剤を溶かし、30分ほどつけ置きする
- その後、洗濯機へ
※この時も温度には注意してください。熱すぎると逆効果です。
注意したい素材とデメリット
どんなに便利なクレンジングでも、すべての衣類に使えるわけではありません。
使えない素材
- シルク・ウール: 動物性タンパク質でできている素材は、クレンジングの成分で生地そのものが傷んだり、風合いが変わってしまう恐れがあります。
- 色落ちしやすいもの: 高級な染料を使っている服は、クレンジング剤によって色が抜けてしまうことがあります。必ず目立たない部分でテストしてから行いましょう。
油ジミのリスク
クレンジング剤自体が「油」であることを忘れてはいけません。すすぎが不十分だと、血液は落ちたけれど「クレンジングのシミ」が残った……という本末転倒な結果になりかねません。最後は必ず洗濯用洗剤でしっかり洗い流してください。
まとめ:クレンジングで血液汚れは落ちる?時間が経ったシミを綺麗に落とす裏ワザと注意点
「服に血がついた=もうダメだ」と諦める必要はありません。私たちの身近にあるクレンジングは、メイクだけでなく、厄介な血液汚れも分解してくれる心強い味方です。
大切なのは、「お湯を使わないこと」「擦らないこと」「早めに対処すること」。
万が一、大切な衣類を汚してしまった時は、慌てずメイクポーチを開けてみてください。適切な手順でケアをすれば、お気に入りの一着をまた真っ白な状態で着ることができるはずです。
もし、自分で行うのが不安な高級素材や、どうしても落ちない古いシミの場合は、無理をせずプロのクリーニング店に相談するのも一つの手です。
まずは、身近なクレンジングを使ったこの裏ワザを、ぜひ一度試してみてくださいね。

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