「化粧水はパンパン叩き込むのが正解!」
「しっかりパッティングしないと肌に浸透しない気がする」
そんな風に思って、毎日一生懸命お肌を叩いていませんか?実は、その良かれと思ってやっている「パッティング」、やり方を一歩間違えると美肌どころか、シミやシワ、乾燥を招く大きな原因になっているかもしれません。
スキンケアの基本である化粧水。その効果を最大限に引き出すためには、パッティングの真実を知っておく必要があります。今回は、意外と知らないパッティングのデメリットや、肌を傷つけない正しいなじませ方について、プロの視点から詳しく解説していきます。
なぜ「叩き込む」パッティングが肌に良くないのか
まずは、私たちがついやってしまいがちな「強いパッティング」が肌に与える影響についてお話しします。
1. 物理的な刺激がバリア機能を破壊する
肌の一番表面にある「角質層」は、わずか0.02ミリほどの厚さしかありません。ラップ1枚分くらいの薄さで、私たちの肌を外部刺激から守ってくれているんです。
ここを強い力で叩いてしまうと、角質細胞の並びが乱れ、肌のバリア機能が低下してしまいます。バリア機能が弱まると、肌内部の水分がどんどん蒸発し、かえって乾燥しやすい「インナードライ肌」を招く結果になるのです。
2. 将来のシミや赤ら顔の原因になる
肌は刺激を受けると、自分を守ろうとして「メラニン」を作り出します。毎日パンパンと叩き続けていると、その微細な刺激が蓄積され、炎症性色素沈着、つまり「シミ」として現れてしまうことがあるんです。
また、叩くことで顔が赤くなるのは、血行が良くなっているのではなく、毛細血管がダメージを受けて広がっているサインかもしれません。これを繰り返すと、常に顔が赤い「赤ら顔」の状態が定着してしまうリスクもあります。
3. たるみやシワを加速させる
肌の弾力は、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンによって保たれています。パッティングによる急激な振動や、肌が上下に揺れるような刺激は、これらの弾力繊維に負担をかけます。毎日の積み重ねが、数年後の「たるみ」や「シワ」として返ってきてしまうのは悲しいですよね。
化粧水をパッティングする本来の目的とは
では、なぜパッティングという手法がこれほど広まっているのでしょうか。本来、パッティングには叩き込むこと以外の役割があります。
収れん効果による引き締め
パッティングの大きなメリットの一つは、気化熱による冷却効果です。コットンを使って優しく風を送るようにパッティングすると、肌表面の温度がわずかに下がります。これにより、一時的に毛穴がキュッと引き締まる「収れん効果」が期待できます。特に皮脂が出やすい夏場や、お風呂上がりの火照った肌には有効な手法です。
ムラなく均一になじませる
手で化粧水をつけると、どうしても指の隙間からこぼれたり、塗りやすい場所ばかりに液が溜まったりしがちです。コットンを用いた正しいパッティングであれば、顔の細かい凹凸(小鼻の脇や目元など)まで、均一に化粧水を届けることができます。
コットン vs 手、結局どちらがおすすめ?
パッティングをする際に迷うのが、「コットンを使うか、手を使うか」という問題ですよね。これは肌の状態や目的によって使い分けるのが正解です。
手(ハンドプレス)が向いている人
- 肌が敏感で、少しの摩擦でも赤くなりやすい
- 極度の乾燥肌で、肌がゴワついている
- スキンケアの時間をリラックスタイムにしたい
手のひらの体温を利用してじっくりなじませる「ハンドプレス」は、肌への刺激が最も少なく、保湿成分を落ち着かせてなじませるのに最適です。
コットンパッティングが向いている人
- ベタつきが気になる脂性肌・混合肌
- 毛穴の開きが気になる
- 角質が溜まって肌がくすんで見える
コットンは古い角質を優しく絡め取る効果もあるため、肌のザラつきが気になる時には有効です。ただし、コットンの質や化粧水の量には細心の注意が必要です。
コットン を使用する際は、必ず毛羽立ちにくい高品質なものを選び、化粧水をケチらずにたっぷり含ませることが鉄則です。
肌を傷つけない「正しいパッティング」の手順
もしパッティングを取り入れるなら、今日から「叩く」のではなく「触れる」意識に変えてみてください。具体的な手順をご紹介します。
ステップ1:化粧水の量は「たっぷり」が基本
コットンの裏側までしっかり透けるくらいの量を含ませてください。量が少ないとコットンの繊維が直接肌に当たり、ヤスリでこすっているのと同じ状態になってしまいます。
ステップ2:持ち方を工夫して力を逃がす
人差し指と小指でコットンを挟み、中指と薬指の2本で支えるように持ちます。こうすることで、力が入りすぎず、肌にフィットしやすくなります。
ステップ3:下から上へ、風を送るように
顔の中心から外側に向かって、優しくスタンプを押すようなイメージで動かします。リズミカルに、でも決して「パチパチ」と音を立てないのがコツです。ひんやりとした感覚があれば、しっかりとなじんでいる証拠です。
ステップ4:最後は必ずハンドプレスで仕上げ
パッティングが終わったら、清潔な手のひらで顔全体を優しく包み込みます。10秒ほどキープすることで、手の温もりが化粧水のなじみをさらにサポートしてくれます。
パッティングに不向きな肌状態とは?
どんなに正しいやり方でも、パッティングを避けるべきタイミングがあります。
- ニキビや炎症があるとき: 物理的な刺激が菌を広げたり、炎症を悪化させたりします。
- 肌がヒリつくとき: バリア機能が低下しているサインです。パッティングは即中止し、低刺激なものをハンドプレスするだけに留めましょう。
- 日焼け直後: 肌が軽度の火傷状態にあるため、刺激は厳禁です。
毎日のスキンケアを格上げするポイント
化粧水の効果を高めるのは、叩く力ではありません。大切なのは「保湿環境」を整えることです。
例えば、お風呂上がりは1秒でも早く化粧水をつけること。乾燥が進む前に肌に水分を補給することで、浸透(角質層まで)の良さが変わります。また、週に一度はシートマスクを取り入れるなど、パッティング以外の方法で水分を補給するバリエーションを持っておくのもおすすめです。
また、パッティングに使う化粧水も、自分の肌悩みに合わせて選びましょう。
成分によっても、パッティングが適しているものと、ハンドプレスでじっくり浸透させるべきものがあります。基本的には、高機能な美容液成分が含まれているものは、手で大切になじませるのが一番効率的です。
化粧水のパッティングは逆効果?正しいやり方と叩き込むデメリットを徹底解説!のまとめ
いかがでしたでしょうか。これまで「叩くほどお肌に入っていく」と信じていた方にとっては、少し意外な内容だったかもしれません。
今回のポイントを振り返ると、
- 強いパッティングは乾燥、シミ、たるみの原因になる。
- 「叩き込む」のではなく「優しくなじませる」のが本来のパッティング。
- 肌の状態に合わせて、手とコットンを賢く使い分ける。
- 違和感を感じたら、無理に続けずハンドプレスに切り替える。
スキンケアは、自分のお肌を慈しむ時間です。今日からは、鏡の中の自分を優しく労わるように、丁寧なハンドプレスやソフトなパッティングを心がけてみてください。
そのひと手間の「優しさ」が、5年後、10年後のあなたの美肌を作ります。無理に叩き込まなくても、正しい方法で行えば化粧水はしっかりお肌に応えてくれますよ。
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乾燥が気になる季節には、化粧水の後の「蓋」も重要です。乳液 や 保湿クリーム を併用して、パッティングで補給した潤いをしっかり閉じ込めましょう。

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