「しっかり保湿しているのに、またニキビができた」「皮膚科の薬を塗っても、肌のガサガサが繰り返される」と悩んでいませんか?
外側からのスキンケアも大切ですが、何度も繰り返す肌荒れは、体の中に原因が隠れているサインかもしれません。そんなときに頼りになるのが、東洋医学の知恵が詰まった漢方薬です。
漢方は、ただ症状を抑えるだけでなく、肌を荒れさせている「体のバランスの崩れ」を整えることを得意としています。この記事では、あなたの肌の悩みや体質にぴったりの漢方薬を見つけるためのヒントを詳しくお届けします。
なぜ肌荒れに漢方薬が選ばれているのか
現代人が抱える肌トラブルは、寝不足や食生活の乱れ、そしてストレスなど、複数の要因が複雑に絡み合っています。西洋医学の塗り薬は、今起きている炎症を抑える「対症療法」に優れていますが、漢方薬は「なぜ肌が荒れやすい体質になっているのか」という根本にアプローチします。
漢方の世界では、肌は健康を映し出す鏡のようなもの。内臓の状態や血の巡りが整って初めて、透明感のある健やかな肌が手に入ると考えられているのです。副作用が比較的穏やかで、体質ごと改善していける点が、多くの女性や敏感肌の方に支持されている理由です。
漢方で考える肌荒れの3大原因:気・血・水
漢方の考え方の基本に「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」という3つの要素があります。このバランスが崩れると、肌にトラブルが噴き出してしまいます。
まず「気」は、生命エネルギーのこと。これが不足したり滞ったりすると、肌のターンオーバーが乱れ、バリア機能が低下します。
次に「血」は、全身に栄養を運ぶ血液やその働きのことを指します。血が不足する「血虚(けっきょ)」になると肌は乾燥し、血が滞る「瘀血(おけつ)」の状態になると、目の下のクマやニキビ跡が残りやすくなります。
最後に「水」は、血液以外の体液のこと。水分代謝が悪くなると、肌がむくんだり、ジュクジュクした湿疹ができやすくなったりします。自分の肌荒れがどのタイプの乱れから来ているのかを知ることが、改善への第一歩です。
肌荒れタイプ別!おすすめの漢方薬7選
あなたの今の肌状態や体質に合わせて選べる、代表的な漢方薬を7つご紹介します。
1. 赤いニキビや炎症が気になるなら:十味敗毒湯
ニキビ治療の代名詞とも言えるのが十味敗毒湯です。皮膚の赤みや腫れを鎮め、膿を排出する働きがあります。比較的体力がある方に向いており、初期のニキビから化膿しそうなものまで幅広く対応します。
2. 生理前の荒れやイライラを伴うなら:加味逍遙散
「生理前になると決まって顎にニキビができる」という方は、ホルモンバランスの乱れが原因かもしれません。加味逍遙散は、気の巡りを整えて自律神経を安定させます。ストレスによる肌荒れや、のぼせを感じる方にもぴったりです。
3. ニキビ跡やシミが気になるなら:桂枝茯苓丸加薏苡仁
血の巡りが悪く、顔色がくすみがちな方には桂枝茯苓丸加薏苡仁がおすすめです。滞った血を流し、肌のターンオーバーを促進します。ハトムギ由来の「ヨクイニン」が配合されているため、肌のザラつきをなめらかにする効果も期待できます。
4. カサカサした乾燥肌とかゆみには:当帰飲子
加齢や季節の変わり目で肌が粉を吹くような乾燥に悩んでいるなら当帰飲子を検討してみてください。血を補いながら、肌に栄養と潤いを届けます。特にかゆみを伴う乾燥肌の改善に力を発揮します。
5. 顔の脂っぽさと赤ら顔には:清上防風湯
上半身に熱がこもりやすく、顔が赤ら顔でニキビが活発に出るタイプには清上防風湯が合っています。余分な熱を冷ますことで、皮脂の分泌を抑え、赤く腫れたニキビを沈静化させてくれます。
6. 肌のポツポツやザラつきに:ヨクイニン
昔から美肌の生薬として有名なのがヨクイニンです。ハトムギの種子から抽出されたもので、水分代謝を整え、イボや角質のザラつきをケアします。飲みやすいものが多く、初めて漢方を取り入れる方にも人気です。
7. 疲れやすく肌に元気がないなら:補中益気湯
胃腸が弱く、疲れがすぐに肌に出てしまうタイプには補中益気湯です。これは肌を直接治すというより、体の底力を上げることで、肌のバリア機能を高める漢方です。内側から元気を補い、ツヤのある肌へと導きます。
漢方薬を飲むときに知っておきたいポイント
漢方薬は魔法の薬ではありません。その力を最大限に引き出すために、いくつか意識したいポイントがあります。
まずは「飲むタイミング」です。漢方薬は、胃が空っぽの状態である「食前」または「食間(食事と食事の間)」に飲むのが基本です。空腹時に飲むことで、生薬の成分がスムーズに吸収されます。もし胃が弱くてムカムカする場合は、食後に変更しても構いませんので、無理なく続けましょう。
次に「継続期間」についてです。ニキビの炎症などは1〜2週間で変化を感じることもありますが、肌の土台から変えていくには1ヶ月から3ヶ月ほどじっくり向き合うのが理想的です。肌のターンオーバーは約28日のサイクルで巡っています。少なくとも1サイクルは様子を見て、自分の体に合っているか確認してみましょう。
意外と知らない!漢方の副作用と注意点
「植物由来だから100%安全」というわけではありません。自分の体質(証)に合わないものを選んでしまうと、逆に体調を崩すこともあります。
よくある副作用としては、胃の不快感、下痢、発疹などがあります。また、多くの漢方薬に含まれている「甘草(カンゾウ)」という生薬は、摂りすぎると血圧が上がったり、体がむくんだりする「偽アルドステロン症」という症状を引き起こすことがあります。
もし飲んでみて「なんだか体調がおかしいな」と感じたら、一旦お休みして、薬剤師や医師に相談するのが賢明な判断です。他の薬を服用している場合も、成分が重複しないよう確認が必要です。
漢方と併せて見直したい生活習慣
漢方薬で内側を整えつつ、日々の生活を少しだけ見直すと、肌荒れ改善のスピードがぐんと上がります。
特に意識したいのは「睡眠」です。肌の修復が行われる成長ホルモンは、寝ている間に分泌されます。夜更かしを控えるだけでも、漢方の効き目は変わってきます。
また、食事では「冷え」に注意しましょう。冷たい飲み物や食べ物は、血の巡りを悪くし、肌のくすみや乾燥を招きます。温かいスープや、体を温める食材(生姜やネギなど)を取り入れることで、漢方薬との相乗効果が期待できます。
自分にぴったりの漢方を見つけるために
市販の漢方薬は手軽に始められるのが魅力ですが、どれを選べばいいか迷ったときは、ドラッグストアの薬剤師さんに相談したり、漢方外来を受診したりするのも一つの手です。
自分の肌が今、何を訴えているのか。鏡を見る時間を「落ち込む時間」ではなく「自分の体の声を聴く時間」に変えてみてください。焦らず一歩ずつ、体質に合った漢方を取り入れることで、きっと理想の肌へと近づけるはずです。
肌荒れに効く漢方薬おすすめ7選!ニキビ・乾燥・体質別の選び方と効果を徹底解説:まとめ
肌荒れの悩みは尽きませんが、漢方薬という選択肢を持つことで、アプローチの幅はぐっと広がります。今回ご紹介したヨクイニンや加味逍遙散などは、多くの人がその効果を実感している心強い味方です。
大切なのは、今の自分の状態を冷静に見極めること。赤みがあるのか、乾燥しているのか、ストレスが溜まっているのか。自分の心と体に耳を傾けながら、最適な漢方薬を選んでみてください。
内側から整った肌は、崩れにくく、健やかな美しさを放ちます。漢方の力を借りて、トラブルに負けない「ご機嫌な肌」を育てていきましょう。

コメント