「化粧水だけで十分潤っている気がする」「乳液を塗るとベタベタして気持ち悪い……」
スキンケアの工程で、もっとも「これって本当に必要なの?」と疑問を持たれやすいのが乳液です。特に脂性肌の方や、湿度の高い夏場などは、乳液をスキップしたくなる気持ちも分かります。
しかし、結論からお伝えすると、健やかで美しい肌を保つために乳液は「ほぼすべての人に必要」なアイテムです。なぜなら、乳液には化粧水やクリームでは代用できない、独自の重要な役割があるからです。
今回は、乳液が必要か悩んでいる方に向けて、その存在意義や「いらない派」が陥りがちな落とし穴、そして肌質に合わせた正解のケア方法を詳しく紐解いていきます。
乳液が必要か迷う理由。なぜ「いらない」と感じてしまうのか
そもそも、なぜ乳液は「いらない」と言われがちなのでしょうか。その背景には、いくつかの共通した理由があります。
ベタつきやテカリへの不快感
もっとも多い理由が、使用感の問題です。乳液には油分が含まれているため、塗った直後の肌はどうしてもペタペタします。これを「肌が潤っている証拠」ではなく「不快な油膜」と感じてしまうと、手が伸びなくなってしまいます。
ニキビや肌荒れへの恐怖
「油分を塗るとニキビが悪化する」というイメージも根強くあります。確かに、肌に合わない油分や過剰な塗布はトラブルの元になりますが、実はニキビの原因が「乾燥による皮脂の過剰分泌」である場合、乳液を抜くことが逆効果になるケースも少なくありません。
スキンケアをシンプルにしたいという心理
現代人は忙しく、スキンケアに多くの時間を割けないこともあります。化粧水、美容液、乳液、クリーム……と重ねる工程を減らしたいと考えたとき、真っ先に削られやすいのが、地味な印象のある乳液なのです。
専門家が教える、乳液が果たす「3つの絶対的な役割」
「乳液が必要か」という問いに答えるためには、乳液が肌の上で何をしているのかを知る必要があります。乳液の役割は、単なる「蓋」だけではありません。
1. 水分と油分の黄金バランスを整える
私たちの肌の角質層には、水分と油分がバランスよく混ざり合った「皮脂膜」という天然のバリアが存在します。化粧水は「水分」を補い、クリームは「油分」を補うのが得意ですが、乳液はその中間。水分と油分が絶妙なバランスで配合されているため、洗顔で失われたバリア機能をスムーズに補完してくれるのです。
2. 肌を柔らかくほぐす「エモリエント効果」
乳液の大きな特徴は、角質を柔らかくする「エモリエント効果」に優れている点です。水分を抱え込みながら油分をなじませるため、ゴワついた肌をふっくらとほぐしてくれます。肌が柔らかくなると、その後に使う美容液のなじみが良くなるなど、スキンケア全体の効率もアップします。
3. 水分の蒸発を防ぎ、バリア機能をサポート
化粧水で補給した水分は、そのまま放っておくとすぐに蒸発してしまいます。乳液に含まれる油分は、肌表面に薄い膜を張り、水分の蒸発をブロックします。「乳液を塗らない=せっかく補給した水分を捨てている」と言っても過言ではありません。
「乳液はいらない」という誤解が招く肌トラブル
もし、乳液が必要なのに使わずに放置してしまうと、肌にはどのような影響が出るのでしょうか。
インナードライ肌の加速
表面は皮脂でテカっているのに、内側がカサカサしている「インナードライ」。これは乳液不足の典型的なサインです。水分が逃げていくのを防ごうとして、肌が防衛反応で過剰に皮脂を出してしまいます。この状態で乳液を避けると、さらに皮脂が出るという悪循環に陥ります。
バリア機能の低下による敏感肌化
乳液による保護がない肌は、外部刺激に無防備です。花粉、ほこり、摩擦、乾燥した空気などのダメージを直接受けやすくなり、次第にヒリつきや赤みを感じる敏感な状態になってしまいます。
ゴワつきとくすみ
水分と油分のバランスが崩れると、肌のターンオーバー(生まれ変わり)が乱れます。古い角質が剥がれ落ちずに肌表面に留まり、触るとゴワゴワしたり、見た目がどんよりとくすんで見えたりする原因になります。
肌質別・乳液の正しい選び方と付き合い方
「乳液は必要」とは言っても、全員が同じものを使う必要はありません。自分の肌質に合ったタイプを選ぶことが、ベタつきを防ぎ、効果を最大化する近道です。
脂性肌(オイリー肌)の場合
「油分はもう十分」と思われがちですが、洗顔後の肌は無防備です。
- 選び方: 油分が少なめで水分量が多い「さらさらタイプ」や「ライトタイプ」を選びましょう。
- 使い方: 顔全体に薄く伸ばすだけで十分です。特にテカりやすいTゾーンは、手に残った分を軽くつける程度に調整してください。
- おすすめ成分: ビタミンC誘導体など、皮脂バランスを整える成分配合のものが適しています。
乾燥肌の場合
乳液だけでは物足りない可能性が高いのがこのタイプ。
- 選び方: セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が豊富に配合された、コクのある「しっとりタイプ」を選びましょう。
- 使い方: 手のひらで温めてから、包み込むようにハンドプレス。乾燥が激しい目元や口元には、重ね付けを。
- おすすめ成分: ヒト型セラミド、シアバター、スクワランなど、保湿持続力の高いもの。
混合肌の場合
パーツによって状態が異なるため、もっとも工夫が必要です。
- 選び方: 季節に合わせて調整しやすい、標準的な質感の乳液がおすすめ。
- 使い方: 「塗り分け」が鉄則です。カサつく頬(Uゾーン)にはたっぷりと、ベタつく額や鼻(Tゾーン)にはごく少量というように、場所によって量を調整してください。
敏感肌の場合
刺激を最小限に抑え、バリア機能を高めることが最優先です。
- 選び方: アルコール(エタノール)フリー、パラベンフリー、無香料などの低刺激設計を。
- 使い方: コットンによる摩擦は避け、清潔な手で優しくなじませましょう。
- おすすめ成分: 抗炎症成分(グリチルリチン酸2Kなど)配合のもの。
乳液を効果的に使うためのポイント
せっかく乳液を取り入れるなら、その効果を120%引き出す使い方をマスターしましょう。
塗るタイミングは「化粧水の後すぐ」
化粧水が肌になじみ、まだ少し湿り気が残っているくらいがベストタイミングです。化粧水が完全に乾ききってしまうと、乳液の油分となじみにくくなり、浸透(角質層まで)が妨げられてしまいます。
「温め」と「プレス」でなじませる
乳液を手に取ったら、すぐに顔につけるのではなく、両手のひらで軽く温めてください。人肌程度の温度にすることで、肌へのなじみが格段に良くなります。その後、顔の中心から外側へ優しく広げ、最後に手のひら全体で顔を包み込む「ハンドプレス」を行いましょう。
量の調整を恐れない
パッケージに記載されている「適量」はあくまで目安です。自分の肌が今日は何を欲しているか、触って確かめてください。カサつく日は少し多めに、汗ばむ日は少なめに。この微調整が、トラブルのない肌を作ります。
乳液の代わりにクリームやオイルは使える?
「乳液のベタつきが嫌だから、オイルやクリームで代用したい」という声もよく聞きます。これらは可能なのでしょうか。
クリームとの違い
クリームは乳液よりも油分が多く、膜を作る力が強いのが特徴です。乾燥が激しい時期や夜のケアには最適ですが、乳液ほど「肌を柔らかくして水分をなじませる」力は強くありません。理想は、乳液で肌を整えた後に、特に乾燥する部分にクリームを重ねることです。
オイルとの違い
美容オイルは純粋な油分です。乳液のように水分と油分を同時に補給することはできません。オイルを乳液代わりに使う場合は、必ず化粧水でたっぷりと水分を補給した直後に使用し、水分を逃さない工夫が必要です。ただし、水分と油分のバランス調整という意味では、乳液の方が初心者には扱いやすいでしょう。
オールインワンジェルの活用
「どうしても工程を減らしたい」という場合は、乳液の機能を備えたオールインワンジェルも選択肢に入ります。最近のオールインワンは進化しており、1つで十分な保湿力を発揮するものも多いですが、肌の状態に合わせた「量の塗り分け」がしにくい点には注意が必要です。
乳液は本当に必要か?いらない派の誤解と肌質別の正しい選び方・使い方を徹底解説!:まとめ
ここまで読んでくださったあなたなら、もう「乳液はいらない」とは感じていないはずです。
乳液は、私たちが本来持っているはずの「健やかなバリア機能」を再現してくれる、頼もしいサポーターです。ベタつきが気になるのは、乳液そのものが悪いのではなく、あなたの肌質や季節に合った製品を選べていなかったり、使い方が少しだけ違っていたりしただけかもしれません。
最後にもう一度、大切なポイントを振り返りましょう。
- 乳液は水分と油分のバランスを整える不可欠な存在。
- 「いらない」と思って抜いてしまうと、インナードライや肌荒れの原因に。
- 脂性肌でもライトな乳液は必要。乾燥肌は乳液+クリームで徹底ガード。
- 自分の肌の状態に合わせて、塗る量や場所を毎日微調整するのが美肌への近道。
もし今、手元にある乳液がしっくりきていないなら、ぜひこの機会に自分の肌質を見つめ直し、新しい一本を探してみてください。
適切な乳液ケアを続けた1ヶ月後の肌は、今よりもずっと柔らかく、内側から押し返すようなハリを感じられるようになっているはずですよ。
肌ラボ 極潤 ヒアルロン乳液まずは今夜のスキンケアから、優しく温めた乳液で、自分のお肌を労ってあげてくださいね。

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