「またこの時期がやってきた……」と、鏡を見てため息をついていませんか?
生理前になると、なぜか決まって現れるポツポツとしたニキビや、ヒリヒリするほどの乾燥。いわゆる「PMS(月経前症候群)」に伴う肌荒れは、多くの女性を悩ませる大きな問題です。ファンデーションでも隠しきれない肌の不調は、心までどんよりさせてしまいますよね。
でも、安心してください。その肌荒れには明確な理由があり、正しい知識を持ってケアをすれば、毎月の憂鬱をぐっと軽くすることができるんです。
今回は、PMSによる肌荒れの原因から、今すぐ見直したいスキンケア、内側から整える食事、そして頼れる漢方の知識までを網羅した完全ガイドをお届けします。もう生理前の肌荒れに振り回されない自分を目指しましょう!
なぜ生理前になると肌が荒れるの?知っておきたいホルモンの正体
毎月繰り返される肌荒れの正体、それはズバリ「女性ホルモンの変動」です。私たちの体の中では、生理周期に合わせて2つのホルモンがダイナミックに入れ替わっています。
一つは、肌の潤いやツヤを守る「エストロゲン(卵胞ホルモン)」。もう一つが、排卵後から生理前にかけて急増する「プロゲステロン(黄体ホルモン)」です。
このプロゲステロンこそが、肌荒れの主犯格。プロゲステロンには皮脂の分泌を促す働きがあるため、生理前はいつもより顔がテカりやすくなったり、毛穴が詰まってニキビができやすくなったりするのです。
さらに追い打ちをかけるのが、エストロゲンの減少です。潤いを司るエストロゲンが減ることで、肌のバリア機能が低下し、いつも使っている化粧水が染みたり、カサつきが気になったりする「敏感肌状態」に陥ってしまいます。いわば、生理前の肌は「油分は過剰なのに水分はスカスカ」という、非常にデリケートなバランスになっているのです。
「攻め」は厳禁!生理前1週間の正しいスキンケア術
肌が荒れていると、つい「念入りに洗顔しなきゃ」「新しい高級美容液を試してみようかな」と思いがちですが、これは逆効果になることが多いので注意が必要です。生理前のスキンケアの鉄則は「守り」に徹することです。
まずはクレンジングと洗顔を見直しましょう。皮脂が気になるからといって、洗浄力の強すぎる洗顔料でゴシゴシ洗うのは禁物です。必要な皮脂まで落としてしまうと、肌はさらに守ろうとして余計に油分を出してしまいます。たっぷりの泡で優しく押し洗いするように心がけてください。
保湿については、低刺激なものを選ぶのが正解です。アルコール(エタノール)フリーや無香料、弱酸性のアイテムなど、肌への刺激を最小限に抑えたものに切り替えましょう。
もし特定の部位だけが荒れる場合は、パーツ別ケアを取り入れてみてください。テカりやすいTゾーンには油分控えめのジェルを、乾燥して粉を吹きやすいUゾーンには保湿力の高いクリームを重ね塗りするなど、肌の声を聴きながら調整するのがコツです。
この時期は、ピーリングやスクラブ、初めて使うスキンケア商品のテストなどは避け、肌をそっと休ませてあげる期間だと割り切る勇気を持ちましょう。
食べたものが肌を作る!PMSを和らげる食事のポイント
「生理前はジャンクフードが無性に食べたくなる……」という方も多いはず。しかし、糖分や脂質の摂りすぎは、皮脂分泌をさらに加速させ、ニキビを悪化させる原因になります。
PMSの肌荒れ対策として積極的に摂りたいのが「ビタミンB6」です。ビタミンB6はホルモンバランスを整え、タンパク質の代謝を助ける働きがあります。ミックスナッツなどに含まれるビタミン類も手軽に補給できておすすめですが、日常の食事ではマグロやカツオなどの魚類、鶏ささみ、バナナ、レバーなどを意識して取り入れてみてください。
また、肌のターンオーバーを正常に保つには「亜鉛」や「鉄分」も欠かせません。赤身の肉や貝類、ほうれん草などは、生理中の貧血対策だけでなく、肌の再生力アップにも貢献してくれます。
豆乳や納豆に含まれる「大豆イソフラボン」も強い味方です。エストロゲンに似た働きをしてくれるため、ホルモンバランスの乱れによる肌のゆらぎを穏やかにしてくれます。冷たい飲み物は内臓を冷やし、血行不良を招いて肌のくすみを作るので、できるだけ常温以上の飲み物を選ぶようにしましょう。
体質から根本改善!漢方薬の力を借りるという選択肢
「いろいろ試したけれど、どうしても改善しない」という方は、東洋医学の知見を取り入れてみるのも一つの手です。漢方では、PMSの不調を「血(けつ)」の巡りの悪さや、ストレスによる「気(き)」の停滞と考えます。
自分の体質に合った漢方を選ぶことで、肌荒れだけでなく、イライラやむくみといった他のPMS症状も同時にケアできるのがメリットです。
例えば、ストレスが溜まりやすく、生理前にイライラして肌が荒れるタイプの方には「加味逍遙散(かみしょうようさん)」がよく処方されます。
一方で、生理痛が重く、ニキビ跡が残りやすい、あるいは血行不良を感じるタイプの方には「桂枝茯苓丸加ヨクイニン(けいしぶくりょうがんかよくいにん)」が向いています。ヨクイニンはハトムギの種子から作られており、肌のイボや荒れに古くから使われてきた成分です。
冷え性で肌がカサカサしやすく、疲れやすいタイプの方には「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」が適している場合があります。漢方は即効性よりも、数ヶ月かけて体質を底上げしていくイメージで取り組むのが成功の秘訣です。最近ではドラッグストアでも手軽に購入できますが、可能であれば専門の医師や薬剤師に相談して、今の自分に最適なものを選んでもらいましょう。
心と体を整える生活習慣。良質な睡眠が最高の美容液
どれだけ良い化粧品を使い、食事に気をつけていても、睡眠不足には勝てません。睡眠中に分泌される「成長ホルモン」は、ダメージを受けた肌細胞を修復してくれる最強の味方です。
生理前はプロゲステロンの影響で日中に眠気が強く出たり、逆に夜に寝付きにくくなったりすることがあります。寝る直前のスマートフォン操作は控え、アイマスクなどを活用して暗い環境を作ることで、眠りの質を高めましょう。
また、入浴も大切です。シャワーだけで済ませず、ぬるめのお湯にゆっくり浸かることで副交感神経が優位になり、ストレスが緩和されます。ストレスはホルモンバランスをさらに乱す要因になるため、自分なりの「リラックスできる時間」を意識的に作ることが、結果として肌荒れを遠ざけることにつながります。
もし、生活習慣を整えても改善が見られず、日常生活に支障が出るほど肌荒れがひどい場合は、婦人科での受診も検討してみてください。低用量ピルなどの処方によって、ホルモンバランスを一定にコントロールすることで、劇的に肌質が改善するケースも少なくありません。「たかが肌荒れで……」と思わず、専門家の力を借りることも立派なセルフケアの一つです。
PMSの肌荒れを治すには?原因と対策、食事や漢方まで専門家が教える改善ガイドのまとめ
生理前の肌荒れは、あなたの体が頑張ってリズムを作っている証拠でもあります。
原因はプロゲステロンによる皮脂増加とバリア機能の低下にあることを理解し、この時期だけは「守りのスキンケア」にシフトしましょう。ビタミンB6やイソフラボンを意識した食事、そして体質に合った漢方の活用は、あなたの肌を内側から強くしてくれます。
何より大切なのは、肌が荒れてしまった自分を責めないことです。「今はそういう時期だから、ゆっくり休もう」と自分を労わってあげることで、ストレスが軽減し、肌の回復も早まります。
毎月のサイクルを上手に乗りこなし、鏡を見るのが楽しみになる毎日を取り戻しましょう。
次は、あなたの肌タイプに合わせた具体的なスキンケアアイテムの選び方や、より詳しい漢方の飲み合わせについて解説しましょうか?

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