「肌がカサカサして痛い」「いつもの化粧水がしみる……」
そんな切実な肌荒れの救世主として、SNSや口コミでよく名前が挙がるのがプロペトです。
皮膚科で処方されることも多いこのお薬ですが、ネット上では「逆に肌荒れが悪化した」「ベタベタして使いにくい」といった不安な声も目にします。良かれと思って使ったのに、逆効果になってしまったら悲しいですよね。
今回は、プロペトの正体から、普通のワセリンとの決定的な違い、そして絶対に知っておきたい「逆効果にならないための塗り方」まで、専門的な知見を交えて分かりやすくお届けします。
プロペトとワセリンは何が違う?精製度の秘密
そもそも「プロペト」とは何なのか、正しくご存知でしょうか?一言で言えば、プロペトは「ものすごく純度の高いワセリン」です。
ワセリンは石油を原料として作られますが、石油と聞くと「肌に悪いのでは?」と驚く方もいるかもしれません。しかし、精製の過程で不純物を徹底的に取り除くことで、肌に刺激を与えない安定した保湿剤になります。
ワセリンには、精製度によっていくつかのランクがあります。
- 黄色ワセリン: 精製度が低く、不純物が多め。安価ですが、敏感肌の人には刺激になることがあります。
- 白色ワセリン: 黄色ワセリンをさらに精製したもの。日本薬局方 白色ワセリンなどが代表的で、ドラッグストアでも手に入ります。
- プロペト: 白色ワセリンをさらに高度に精製し、極限まで不純物をカットしたもの。眼科用の軟膏のベースに使われるほど低刺激です。
- サンホワイト: プロペトよりさらに精製度が高いとされる、高品質なワセリンです。
プロペトは不純物がほとんど含まれていないため、赤ちゃんの肌や、炎症を起こして過敏になっている大人の肌荒れにも安心して使えるのが最大の特徴です。
プロペトの役割は「補給」ではなく「保護」
ここで一つ、大切な勘違いを正しておきましょう。プロペト自体には、肌に水分を与えたり、炎症を直接抑えたりする成分は入っていません。
プロペトの役割は、あくまで「肌の表面に油分の膜を張ること」です。
- 水分の蒸発を防ぐ: 肌内部にある水分が逃げないように、サランラップのように蓋をします。
- 外部刺激をブロック: 花粉、ホコリ、衣類の摩擦、雑菌などが直接肌に触れるのを防ぎます。
つまり、プロペトは肌を治す「薬」というより、肌が自ら治ろうとする力を助ける「最強のバリア」と考えるのが正解です。
なぜ「逆効果」と言われることがあるのか?
「プロペトを塗ったらニキビができた」「余計に痒くなった」という声があるのは事実です。これには明確な理由があります。
1. ニキビ肌への使用
プロペトの油膜は非常に強力です。そのため、皮脂分泌が盛んな部位や、すでにニキビがある場所に厚塗りすると、毛穴を塞いでしまいます。出口を失った皮脂にアクネ菌が繁殖し、ニキビが悪化する原因になります。
2. 熱がこもって痒くなる
炎症がひどく、熱を持っている肌にプロペトをたっぷり塗ると、油の膜が熱の放出を妨げてしまいます。その結果、内側に熱がこもり、ムズムズとした痒みを引き起こすことがあります。
3. 汚れを巻き込んでいる
肌が汚れた状態でプロペトを塗ると、表面の雑菌や汚れを油膜の中に閉じ込めてしまうことになります。これが刺激となり、肌荒れを加速させるケースも少なくありません。
4. 落としきれていない
プロペトは水だけでは落ちません。翌朝、古い油分が顔に残ったままだと、その油が酸化して肌への刺激になります。「夜塗って、朝は水洗顔だけ」という方は、プロペトが残っていないか注意が必要です。
肌荒れを救う!プロペトの正しい塗り方
プロペトの効果を最大限に引き出し、逆効果を防ぐための正しいステップをご紹介します。
手のひらで温めて「面」で塗る
プロペトは室温では少し硬めのテクスチャーです。指先でいきなり顔に塗り広げようとすると、摩擦で肌を傷めてしまいます。
適量を手のひらに取り、両手を合わせて体温で温めてください。柔らかくオイル状になったら、顔を包み込むように優しく「ハンドプレス」でなじませるのがコツです。
スキンケアの最後に使う
プロペトは「蓋」です。水分を補給する力はないので、必ず化粧水などで水分を補った後に使いましょう。
- 化粧水で保水する
- 必要であれば美容液や乳液を塗る
- 最後にプロペトを薄く塗るこの順番を守ることで、内側の潤いをしっかり閉じ込めることができます。
塗る量は「米粒ひとつ分」から
ベタつきが苦手な方は、まずは米粒ひとつ分くらいの少量から試してみてください。それだけでも十分にバリア機能を果たしてくれます。顔全体がテカテカになるまで塗る必要はありません。
プロペトに関するよくある誤解:油焼けと副作用
「油を塗って日に当たると、シミになる(油焼けする)のでは?」と心配される方がいます。
確かに昔のワセリンは不純物が多く、それが紫外線と反応して肌に色素沈着を起こすことがありました。しかし、現代の高度に精製されたプロペトにおいて、通常の生活範囲で油焼けを起こす心配はほぼありません。
副作用についても、成分自体が化学反応を起こしにくい性質(不活性)であるため、アレルギー反応が出ることは極めて稀です。ただし、前述した「毛穴詰まり」や「熱のこもり」による二次的なトラブルには注意しましょう。
こんな時はプロペトをおすすめします
- 花粉症の時期: 鼻の周りや目の周りに薄く塗っておくと、花粉が直接肌に付着するのを防ぎ、ヒリヒリ感を軽減できます。
- マスク荒れ: マスクが当たる頬や紐の部分に事前に塗っておくと、摩擦ダメージを抑えられます。
- ひどい乾燥時期: どんなクリームを使っても乾燥が止まらない時の「最終手段」として。
- 洗顔後すぐ: お風呂上がり、すぐにスキンケアができない時にとりあえずプロペトだけ塗っておくと、急激な乾燥を防げます。
まとめ:肌荒れにプロペトは逆効果?正しい塗り方やワセリンとの違い、副作用を医師が解説
プロペトは、正しく使えばこれ以上なく心強い「肌の盾」になります。
肌荒れが悪化してしまったと感じる場合は、塗る量が多すぎないか、清潔な肌に使っているか、あるいはニキビができやすい部位に塗っていないかを見直してみてください。
「水分を入れてから、プロペトで蓋をする」
この基本を守るだけで、あなたの肌荒れケアの質はぐっと上がります。
もし、プロペトを塗っても赤みや強い痒みが引かない場合は、無理にセルフケアを続けず、皮膚科を受診してくださいね。処方薬としてのプロペト ピュアベールなどの市販薬もうまく活用しながら、健やかな肌を取り戻しましょう。
あなたの肌悩みが、一日も早く解消されることを願っています。

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